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【STORY 山崎凜】やらない後悔よりもやる後悔、山崎凜の進む道

長崎ヴェルカ(特別指定)から新加入の山崎凜は、U16日本代表として河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)や富永啓生(NCAAネブラスカ大学)ら後のワールドカップ戦士とともにプレーした経験を持つ。いわばポテンシャルは代表クラスだ。だが、あえてイバラの道を選んだ山崎はようやく今シーズンがプロ1年目。紆余曲折の半生は、座右の銘「やらない後悔よりもやる後悔」という生き方に彩られている。

小学6年からバスケットボールを始めた山崎は、170㎝の長身を生かしてセンターを務めた。中学時代にはフォワードに転向し、中も外もこなせるオールラウンダーになった。その才能は茨城の名門・土浦日本大学高校で開花し、高校2年にはU16日本代表に招集されるまでになった。

青山学院大学に進学した山崎は1年から試合に出場、レベルの高い関東大学リーグにおいても、順風満帆のスタートを切ったはずだった。だが、大学2年時に新型コロナウイルスの流行が始まった。

「大学の授業がオンラインになって、リーグ戦も中止になった。練習もろくにできなくなった大学3年の時に広島ドラゴンフライズの練習生をやらせていただけることになりました。よし、ここで頑張るぞ!と思っていた矢先、大学から対面授業が再開されるという連絡が届きました。東京で授業を受けて、広島でバスケットをすることは物理的に不可能。大学か広島か、どちらかを選ばないといけない中で、僕は広島を選びました。中学生の頃からプロに憧れていて、広島の方がプロへの近道だと考えたからです」

 



大学のチームメイトからは残ってほしいと言われた。両親からは「自分の道は自分で決めなさい」と言われ、悩んだ末に広島の練習生を選んだ。この時、無意識に頭にあったのが「やらない後悔よりもやる後悔」という座右の銘だったという。

「コロナが始まって、物事を考える時間が増えました。改めて生き方を考える中で、やる後悔の方がいいと思いました。広島行きを決めた時にその考えが浮かんだ訳ではないですが心の奥にはあったので、今振り返ってみると影響があったのかもしれませんね」

広島での練習生を経て、翌年3月から当時B3で注目を集めていた長崎ヴェルカの特別指定選手に。翌シーズンは開幕から長崎の特別指定選手としてB2で35試合に出場した。率先してチームを盛り上げ、末っ子による試合前の豪快な“雄叫び”はファンの心を掴んだ。この儀式は滋賀レイクスでも「リンリンサイレン」として持ち込まれている。先輩・川真田紘也の「川真田劇場」にも負けない存在感を見せている。

「チームメートが疲れている時に大きな声でチームを盛り上げるのは自分の役割だとも思っています。声がでかいのは自分の武器。もちろん、滋賀でも試合前のハドルで叫びます。戦闘開始の合図です。やらずに後悔はしたくありませんから」

こんなところにも山崎の座右の銘が顔をのぞかせているからおもしろい。

 

山崎凜
RIN YAMAZAKI



背番号:10
ポジション:SG/SF
身長/体重:194cm/90kg 
生年月日:2001年3月24日 
出身地:愛知県

 

経歴

土浦日大高-青山学院大(2年まで在籍)
2021 広島ドラゴンフライズ練習生(B1)
2022-23 長崎ヴェルカ
※2021-22シーズンは、2021年10月~12月:広島の練習生、2022年3月~:長崎の特別指定選手
※2022-23シーズンは特別指定選手

∟2021-22 B3優勝=B2昇格 
∟2022-23 B2準優勝=B1昇格

2023~滋賀レイクス  

 
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